ちょっと得する豆知識 2015年12月04日
あるお母さんから「先生は『経過をみましょう』とよくおっしゃいますが、どのように経過をみたらよいのかがわからない」と指摘を受けたことがありました。あまり適切な表現でないことはわかっているのですが、つい使ってしまいます。私たち医師は神様ではないので、多くの場合一回の診察では病気の診断は確定しません。処方した薬によって症状が良くなるのか、あるいは変わりないのか、悪化したのかを参考にして、診断がはっきりすることの方が多いものです。したがって、きちんと経過を確認したいときにはそれぞれの症状に合わせて「(〇〇日後まで)経過をみましょう」と再診の指示を目的にお話しします。
一方、一般的な咳、鼻水、下痢などの症状の場合、少しずつよくなってくると思われるときには、「(薬が飲み終わる頃にはよくなると思うので、とりあえず)経過をみてください」と4~5日分の処方を行います。確かに『経過をみる』という表現にも多少のニュアンスの違いがあります。ときどき( )の言葉が足りないために誤解が生じてしまいます。病気は予想通りに経過しないことも多いのもです。薬を飲んでいても、明らかに悪くなったときには4~5日待たずに受診してください。