

先生からのお便り 2022年03月01日
小児への新型コロナワクチンが始まります。お知らせでお伝えしましたが、その目的は ①稀な重症化の予防 ②後遺症の予防 ③感染拡大の阻止や感染による家族の社会生活への影響の軽減ではないかと個人的には考えています。
しかし、もう一つ、+αとして大切な目的があります。もしかすると、最も大切かもしれません。
子どもたちはこの2年間本当に頑張ってきました。楽しく会話しながら美味しく食べる給食であるはずなのに前を向いての黙食、友達とはしゃぎながらおしゃべりをして次の授業への気分転換する休み時間も静寂を求められ、それぞれが自分の力を発揮してお父さんやお母さんから認めてもらえる運動会や授業参観も自粛、楽しみにしていた修学旅行やスキー教室も日帰りや中止になってしまいました。
自分たちが感染してもただの風邪、では誰のためにこんなに我慢して頑張ってきたのでしょう。それはお父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあちゃん、学校や園の先生、この街に住むご高齢者のためです。
お願いです。これ以上子どもたちに無理を強いらさないでください。
私たち医療関係者はワクチンを接種することで、一抹の感染への不安を抱えながらも日々診療することができています。ワクチンを接種していなければ、恐怖と不安で継続して診療することはできないでしょう。お父さまやお母さまは接種なされたとき、どのようにお感じになられましたか。明日、体調が崩れないか心配なされたかもしれませんが、多くの方はほっとなされたのではないでしょうか。
子どもたちへの接種が安全かご心配なされるお気持ちは十分理解できます。接種翌日から翌々日に発熱、頭痛、倦怠感、接種部位の痛みはおとな同様に認められます。では、10年後の副反応は・・・現在誰にもわかりません。でも、RNAワクチンは30年以上も前から開発されてきたワクチンで、コロナウイルスの感染が世界中に蔓延し、世界中の研究者が必死にこの1年で完成させたワクチンです。どうか、医学の進歩を信じてください。
子どもたちの生き生きとした生活を維持するために、100%ではありませんが、ワクチンを接種することで安心、自由へとつながります。