小児肺炎球菌ワクチン:7価から13価へ|宇都宮市の小児科

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小児肺炎球菌ワクチン:7価から13価へ

お知らせ 2013年10月31日

平成25年11月から、小児肺炎球菌ワクチンが次世代ワクチンである13価「プレベナー13」に変わります。「プレベナー13」は世界109か国で使用されている世界標準のワクチンです。「プレベナー13」は11月1日発売と同時に定期予防接種に指定され、現在接種中の「プレベナー7」は任意接種に変更になります。

 

・肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による重症感染症(髄膜炎や敗血症、肺炎など)を予防するワクチンです。肺炎球菌は、乳幼児の鼻咽頭に高率に定着する常在菌で、保菌者がすべて発症するわけでなく、抵抗力の低下や風邪による粘膜バリアの損傷などにより発症します。現在、治療に使用する抗生剤に耐性を獲得した(抗生剤が効かない)「多剤耐性肺炎球菌」が多く、治療に難渋するケースがあります。したがって、一般的な風邪で安易に抗生剤を使わず、ワクチンで予防することが大切になります。

 

・肺炎球菌は約90種類に分類され、およそ1/4が人に病原性をもつとされています。特に2歳未満の重症感染の原因菌として頻度が高い7種を予防する目的で開発されたワクチンが平成22に導入された「プレベナー7」です。最近のデータでは、ワクチン導入以降、肺炎球菌による重症感染の発生率が減少(髄膜炎の減少率73%、非髄膜炎の減少率52%)していることが確認されています。しかし、近年、「プレベナー7」でカバーできない菌種による重症感染が目立ってきました。今回の「プレベナー13」は予防できる肺炎球菌の種類が6種多くなり、肺炎球菌による重症感染のカバー範囲が30%広くなりました。

 

・現在4回のワクチン接種を行っている過程のお子さまについては、11月1日より自動的に13価のワクチンに変更となり、「プレベナー13」の残り回数の接種で十分な免疫効果が期待できます。

 

・4回の接種をすでに完了している3歳未満のお子さまには補助的追加接種をご検討ください。補助的追加接種については任意接種となります。「プレベナー7」最終接種から8週間以降に、「プレベナー13」の追加接種を1回行います。

今回、補助的追加接種が任意接種となった理由は、『個人予防の観点においては、疾病負担を軽減できる可能性があり推奨されるが、費用対効果の点で社会全体に対する利益は限定的であるため、定期予防接種とせず、希望者が任意で行う』と厚労省より発表されています。

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