乳児期の予防接種のポイント|宇都宮市の小児科

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先生からのお便り

乳児期の予防接種のポイント

先生からのお便り 2013年08月23日

髄膜炎ワクチン(Hib、肺炎球菌)接種が定期予防接種となりました。乳児期の予防接種のポイントをご説明いたします。

 

この2年間、ロタウイルスワクチン(任意)が開始され、ポリオワクチンが生ワクチンから不活化ワクチンに変更となり、さらに昨年11月にはDPT三種混合ワクチンからポリオが含まれたDPT-IPV四種混合ワクチン接種が可能となりました。ワクチン後進国日本が、今必死に世界の標準に追いつこうとしています。しかし、急な変化に対応が間に合わずに、不活化ポリオ、四種混合ワクチンについてはワクチン供給が不足、混乱をまねいてきました。この夏、四種混合ワクチンの供給体制が整い、やっとワクチン不足が解消しました。この秋には肺炎球菌ワクチンの変更等が予定され、日々新しい対応がこれからも必要になりますが、現時点においての予防接種のポイントをお話しいたします。

 

<乳児期に予防したい大切な疾患>

百日咳、化膿性髄膜炎、結核性髄膜炎

 

・DPT-IPV四種混合ワクチン、Hibワクチン、肺炎球菌ワクチン、BCGをいかに効率よく接種するかがポイントです。

・ロタウイルス胃腸炎は冬から春にかけて日常的に感染するリスクのある疾患。昨年、宇都宮市で2人の尊い赤ちゃんの命が失われました。ワクチン接種の期限は生後20週まで。

・B型肝炎は感染する機会は少ないと思われますが、感染力は強く、一生に関わる疾患。世界的には、乳児期での接種が推奨されています。幼児期、学童期、いつでも接種は可能です。

・ロタウイルス、B型肝炎ワクチン、日本では高額な費用を要するのが課題。小児科医として強く勧められないのがつらい。

 

・ポリオは日本では感染しません。世界からなくすためのワクチンです。他のワクチンが終わってからでも遅くはありません。

 

・DPT-IPV四種混合ワクチン、Hibワクチン、肺炎球菌ワクチンの3つの同時接種、あるいはBCG、ロタウイルスワクチンを加えた4種同時接種も可能です。3つ同時はちょっと心配、赤ちゃんがかわいそうかなと思われる方、下記の接種スケジュールお勧めします。

 

くろさきこどもクリニック定期接種の推奨スケジュール

  生後2か月  : Hibワクチン① & 肺炎球菌ワクチン①

  生後3か月  : Hibワクチン② & DPT-IPVワクチン①

  生後4か月  : DPT-IPVワクチン② & 肺炎球菌ワクチン②

  生後5か月  : Hibワクチン③ & DPT-IPVワクチン③

  その1週間後: 肺炎球菌ワクチン③ & BCG

 

乳児期の予防接種について、もう少し詳しくしりたい方、VPD : Vaccine(ワクチン) Preventable(防ぐ) Diseases(病気) のHPを是非ご参照ください。

 

http://www.know-vpd.jp

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