放射線、放射性物質への不安|宇都宮市の小児科

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先生からのお便り

放射線、放射性物質への不安

先生からのお便り 2011年05月01日

東日本大震災において、被害に遭われた皆様に心からお見舞い申し上げます。また、亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。

 

日々の診療で、多くのお母さま方から放射線への不安の声が聴かれます。福島第一原子力発電所の原子炉建屋の爆発、放射性物質の大量流出・・・かつてない非 常事態を経験しました。決死の作業に挑んだ多くの方々のおかげで、広範囲に長期間、高濃度の放射性物質が流出する事態は避けることができました。しかし、 地震翌日の12日から約1週間は何らかの影響ある一定量の放射性物質が大気中に放出されたことは間違いありません。その結果、関東地方各地の浄水場の水か ら、1歳未満の乳児の飲料に適さない量の放射性物質が検出されるという事態が起こりました。

 

今までの経緯で、放出された放射線量が「ただちに影響はない」ことは間違いありません。しかし、「ただちに影響はない」放射線量での将来的な影響がよくわ かっていません。影響のでる境目の十分なデータがないのです。そのため、放射線専門家や医師の間でも意見の相違が生じています。

 

私たちは普段の生活でも、天然の放射線を受けています(被曝している)。自然放射線の年間被曝量は世界平均で2.4ミリシーベルト(mSv)。国際放射線防護委員会は自然放射線以外の被曝量を「1~20mSvの範囲に上限を」と勧告しています。現在、福島県においては小学校の校庭の測定値がその境界値に近く、政府の十分な対応が求められいます。

 

宇都宮市の放射線量は0.06マイクロシーベルト(μSv)/h、震災前の平常時の放射線量0.04~0.06μSv/hとほとんど違いはありません。水道水も放射性ヨウ素、セシウムは検出されていません。したがって、現時点において、この宇都宮においては、外遊びも水道水の飲料も幸いにして問題はないと考えられます。

 

1日も早く、事故が収束し、元気に公園でかけまわる子どもたちをお母さま方が不安なく見守る日がくることを!

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