感染症情報|宇都宮市の小児科

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お知らせ

感染症情報

お知らせ 2019年08月13日

宇都宮市駒生・宝木地区、鶴田近隣の8月13日現在の感染症の情報をお伝えします。

 

・咳・鼻水を伴わず急な発熱・頭痛を呈する夏かぜが流行しています。夏かぜの発熱は39~40℃の高熱が2~3日続くことが多く、お父さま、お母さまにとっては心配な病状ですが、特効薬はなく、ゆっくり休めば数日で回復します。代表的な疾患が、のどの奥に口内炎を呈する「ヘルパンギーナ」です。その他にも夏かぜのウイルスの種類は数多く、発疹や軽い下痢症状を伴うことも多々あります。夏かぜの余病で、まれに髄膜炎を起こすことがあります。細菌性髄膜炎とは異なり、後遺症を残すようなことは極めてまれですが、辛い頭痛や嘔気を認める時には、早めに受診しましょう。

 

手足口病が流行していましたが、お盆休みに入り患者数は減少してきました。典型的な手足口病は文字通り、手の平と足の裏、さらに膝やお尻に米粒大の水疱ができ、口腔粘膜(頬の内側)や舌に口内炎ができてしまいます。しかし、手足口病をおこすウイルスは10種類以上あり、今年流行している手足口病は高熱から始まり、1~2日後の解熱と同時に足全体や口の周りに発疹ができていたりといくつかのタイプがあります。手の平や足の裏に水疱を認める典型的な手足口病が少ないのが今年の特徴です。発疹や水疱の出かたにはいくつかのパターンがありますが、口内炎のために食事の際に強い痛みを生じ、ご飯を食べるのが困難な状態になってしまうことが最大の課題です。保育園や幼稚園から明確な診断をつけてくるようお話しをされ受診する方がいらっしゃいますが、感染期間は2~3週間におよぶため、流行を完全に防ぐことは難しいのが現実です。手足口病については診断よりも、痛みで辛い思いをしている子どもたちが少しでも食べられるよう配慮していくことが何より大切です。口や舌が痛くて食べられないときには、プリン、ゼリーや杏仁豆腐などのど越しの良いデザート類がお勧めです。水分補給には牛乳が比較的飲みやすいと思われます。まれにですが脳炎を併発する場合もあり、食欲がなく、体調が優れない時には、無理をせずに休むことが大切です。

 

ここ数年、RSウイルス感染性気管支炎が夏に流行しています。RSウイルスは本来、秋から冬に流行するウイルスですが、今年の夏も罹患者が増加傾向にあります。RSウイルスは大人はただの鼻かぜ、年齢が小さいほど重い気管支炎症状および呼吸困難を呈します。お盆休みで帰省し、多くのいとこである子どもたちが集まる中、3か月の赤ちゃんが罹患し、入院となりました。この時期、人混みへの外出を控えるのはかなり困難ではありますが、生まれてから半年未満の赤ちゃんがいるご家庭では、ご家族の皆さんの体調管理には十分気をつけましょう。

 

・この春、ロタウイルス胃腸炎に罹患し、辛い症状を呈したお子さまがいらっしゃいましたが、現在は途切れています。また、ノロウイルスを疑う病状のお子さまも少なく、現在の胃腸炎症状の多くは夏かぜのウイルスによるものと思われます。しかし、これからは細菌性食中毒に対する注意が必要となります。食品の取り扱いには十分な注意が必要です。出血を伴う下痢症状を認めた場合には、便の細菌培養検査が必要です。

一般的な胃腸炎症状に対する対応についてお話しします。急に吐き出したときには、あわてずにおなかを休めましょう。脱水を心配してすぐにたくさんの水分を飲ませても胃は受け付けてくれません。吐けば吐くほどに体調は悪化します。1~2時間は口を潤す程度の水分で十分、少し吐き気が落ち着いたなと感じたら20~30分間隔で少量(20~30ml)水分を飲ませてあげましょう。もしまた吐いてしまったら、もう1時間待ちましょう。ノロウイルスの吐き気は半日で軽快します。半日後吐き気がほぼなくなってきたら、お粥、おじや、煮込んだおうどんなど、炭水化物中心のお食事を始めましょう。空腹が長時間続くことはいいことではありません。一方、ロタウイルスは半日で状態が回復することはなく、1日経過しても元気なくぐったりしているときには、かならず病院を受診しましょう。風邪の予防もかねて石鹸での手洗いをこまめに行っていきましょう。ノロウイルスもロタウイルスも感染力はとても強く、アルコール消毒は効果がありません。

 

水ぼうそうの流行はありません。

2回の定期予防接種が功を奏していると思われ、全国的な流行はほとんどなくなりました。しかし、ワクチン未接種、数年前にワクチンを1回接種したお子さまが罹患し、その感染を契機に一部の集団での流行に波及しています。水ぼうそうの感染力は非常に強く、短時間の接触でも感染します。2回目の接種を忘れているお子さんが多数見受けられます。接種対象者のお子さまはできるだけ早く、2回の接種を終了しましょう。今回も流行の中心は1回接種の小学生です。任意接種にはなりますが、小学生も2回目の接種をご検討ください。

 

・耳下腺炎で受診するお子さまが増えてきました。罹患したお子さまの抗体検査を行っていますが、おたふくかぜの抗体は上昇しておらず、夏かぜのウイルスによる耳下腺炎が疑われます。

この春新聞などでも報道されましたが、耳鼻科学会がおたふくかぜによる聴力障害に対する警告を出しました。おたふくかぜは決して軽い疾患ではありません。流行した年には、合併症で数百人が聴力障害を併発します。一般的には片側のみの聴力障害ですが、予想以上に両側の耳が聞こえなくなってしまったお子さまが多いことが報告されました。残念ですが、現代の医学では聴力をもどすことはできません。おたふくかぜを防ぐには、予防接種しかありません。流行が途絶えているこの時期に、まだ接種なされていないお子さまは是非ワクチンを!なお、今回の流行では、小さい頃に接種を受けていても、典型的なつらい症状を呈している方が多数みられます。1回の接種では、2~3割のお子さまは免疫が低下し、罹患してしまいます。麻疹や水ぼうそう同様に、2回の接種を是非ご検討ください。

 

海外から麻疹ウイルスがたびたび持ち込まれ、日本の一部の地域で流行が繰り返されています。昨年4月沖縄県で流行し、多くの県に感染が拡大し、罹患者は全国で150人を超えました。今月再び、三重県~大阪府等関西地方において流行が拡大し、すでに300人ちかくの罹患者がでています。国の中途半端な対応の結果、今後も流行は繰り返されるでしょう。人々が移動する夏休みは流行するリスクが最も高まる季節です!麻疹風疹混合(MR)ワクチン対象年齢(1歳児、年長児)の皆さん、早い時期に免疫をきちんとつけていきましょう。年長児の皆さん、1歳で得られた免疫は消えかかっています。早めの接種をお願いいたします。

なお、23歳以上の皆さまは、麻疹・風疹の十分な免疫がない可能性があります。これから生まれる新しい命を守るために、できるだけ麻疹風疹ワクチンの追加接種をお勧めします。

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