

お知らせ 2023年03月01日
宇都宮市駒生・宝木地区、鶴田近隣の3月1日現在の感染症情報をお伝えします。
幅広い年齢で新型コロナウイルス感染症が流行していましたが、現在減少傾向にあります。
乳幼児の子どもたちの多くは家族内感染です。保育園では1~2人の感染児が出た時点で休園となり、感染は拡大していません。発熱したお子さまのほとんどは一般的なかぜで、現在は週に1~2人程度ですが、まだ途切れてはいません。一方、小学生はインフルエンザ感染が中心となってきました。
オミクロン株出現以降、新型コロナウイルスは子どもにとって“ただの風邪”ではなくなりました。昨年3月以降、この日本において、基礎疾患のない健康なお子さま20人以上が尊い命を失っています。どうか侮ることがないように。
A型インフルエンザ感染の急拡大が懸念されましたが、幸いにピークを越えた印象があります。しかし、今後B型インフルエンザが流行してくる可能性もあり、まだ予断はできません。
< 新型コロナウイルス感染症 >
当初は大人が感染しても子どもは感染しないケースが多かったものの、変異ウイルスにおいてはお父さんやお母さんが感染した場合にはお子さまも感染してしまうため、10歳未満の感染者が増加しました。今回のオミクロン株についてはさらに感染しやすい傾向にあり、ワクチンを受けていない小学生、幼児が学校内、園内でも感染し、家庭内に波及する状況が目立ちました。
今後どのように推移するのかは慎重に見守る必要があります。
現在小学校は、文科省の方針により夏休み前と違い、学級閉鎖はできる限り行わない状況になっています。2~3人程度の感染では学級閉鎖にはなりません。学級閉鎖になった場合、そのクラスには7~8人以上罹患した児童がいる可能性があります。コロナ対応は刻々と変わっていますので、情報の判断を誤らないよう、お気を付けください。
油断をすれば感染は瞬く間に増加します。感染情報を過度に隠すような対応をとれば、学級学年閉鎖、休園をしても感染を抑え込むことはできません。子どもたちが感染するか否かは大人の行動や感染予防の意識で決まります。
・多くの子どもたちが必要以上に頑張っています。その結果、頭痛、腹痛、チック症状や頻尿を主訴に受診なさるお子さまが散見されています。保育園や幼稚園での生活が十分に把握できない、小学校の授業を進めるスピードが例年より早く不安を抱えている等のお声を聞くことがあります。不安な兆候が認められた際には、無理をせずに、お子さまの不安な気持ちに寄り添い、受け入れてあげてください。お布団に入っても眠れない、朝元気がない、寂しそうに帰宅するお子さまの姿が見受けらるときには、ご相談ください。
この3年間の子どもたちの頑張りを是非言葉に出して、評価してあげてください。
<インフルエンザ>
・罹患したお子さまのなかには、治療の機会を逸して1週間近く39℃の発熱を繰り返しているお子さまがいます。コロナ禍前にインフルエンザが軽い症状で経過していたのはほとんどのお子さまがきちんと治療に結びついていたからです。この3年間で罹患者も治療者もインフルエンザ治療の感覚が薄れてしましました。タイミングよく(発熱から6~36時間)医療機関に受診することが大切です。
<RSウイルス感染症>
・例年早秋から年末に流行するRSウイルス気管支炎がコロナ禍の影響で時期が遅れて昨年は7月から宇都宮市全体で流行が認められていました。現在は収束傾向にありますが、油断はできません。小さな赤ちゃんがいつもと違う湿った咳をしだした際には小児科での診察を。
RSウイルスは大人はただの鼻かぜ、年齢が小さなお子さまほど重い気管支炎を呈し、生後半年未満の赤ちゃんが罹患した場合には呼吸困難により入院を要する場合があります。治療薬はありせん。いつもの咳と違うなと感じた際には早めに受診してください。なお、RSウイルスに対する抗原検査は入院を前提とした場合にのみ認められています。1歳を越えたお子さまの咳の出始めや念のための検査は行えませんので、ご了承ください。
<その他の気管支炎関連疾患>
・ヒトメタニュウーモウイルスによる気管支炎の流行は現在収束しました。本来は春に流行する感染症ですが、新型コロナウイルス感染流行に伴い、感染時期がずれています。抗原定性検査で診断しますが、治療薬はないため、発熱が4~5日続いて肺炎併発を疑うお子さまのみ検査が認められています。6歳以上のお子さまには保健適応がありません。
・マイコプラズマによる気管支炎・肺炎も現在途絶えています。
<感染性胃腸炎>
・ノロウイルス感染症と思われるお子さまが急増しています。お子さまからお父さんやお母さんに感染したと思われるご家族もあり、家族みんなで手洗い、感染予防に努めましょう。
胃腸炎症状に対するご自宅での対応についてお話しします。急に吐き出したときには、あわてずにおなかを休めましょう。脱水を心配してすぐにたくさんの水分を飲ませても胃は受け付けてくれません。吐けば吐くほどに体調は悪化します。1~2時間は口を潤す程度の水分で十分、少し吐き気が落ち着いたなと感じたら20~30分間隔で少量(20~30ml)水分を飲ませてあげましょう。もしまた吐いてしまったら、もう1時間待ちましょう。ノロウイルスの吐き気は半日で軽快します。半日後吐き気がほぼなくなってきたら、お粥、おじや、煮込んだおうどんなど、炭水化物中心のお食事を始めましょう。空腹が長時間続くことはいいことではありません。一方、ロタウイルスは半日で状態が回復することはなく、1日経過しても元気なくぐったりしているときには、かならず病院を受診しましょう。風邪の予防もかねて石鹸での手洗いをこまめに行っていきましょう。ノロウイルスもロタウイルスも感染力はとても強く、アルコール消毒は効果がありません。
< 水 痘 >
・水ぼうそうについては現在途絶えています。
2回の定期予防接種が功を奏していると思われ、全国的な流行はほとんどなくなりました。しかし、ワクチン未接種、数年前にワクチンを1回接種したお子さまが罹患し、その感染を契機に一部の集団での流行に波及しています。水ぼうそうの感染力は非常に強く、短時間の接触でも感染します。2回目の接種を忘れているお子さんが多数見受けられます。接種対象者のお子さまはできるだけ早く、2回の接種を終了しましょう。今回も流行の中心は1回接種の小学生です。任意接種にはなりますが、小学生も2回目の接種をご検討ください。
<流行性耳下腺炎>
・この1年、おたふくかぜの流行はありません。
昨年、おたふくかぜワクチンの製造過程でのトラブルがあり、十分な供給ができない状況がありましたが、現在ワクチン流通は通常に戻りました。日本のワクチン行政が変わらないと、このような事態はいつまでも繰り返されます。
新聞などでも報道されましたが、耳鼻科学会がおたふくかぜによる聴力障害に対する警告を出しました。おたふくかぜは決して軽い疾患ではありません。流行した年には、合併症で数百人が聴力障害を併発します。一般的には片側のみの聴力障害ですが、予想以上に両側の耳が聞こえなくなってしまったお子さまが多いことが報告されました。残念ですが、現代の医学では聴力をもどすことはできません。おたふくかぜを防ぐには、予防接種しかありません。流行が途絶えているこの時期に、まだ接種なされていないお子さまは是非ワクチンを!なお、今回の流行では、小さい頃に接種を受けていても、典型的なつらい症状を呈している方が多数みられます。1回の接種では、2~3割のお子さまは免疫が低下し、罹患してしまいます。麻疹や水ぼうそう同様に、2回の接種を是非ご検討ください。
< 麻 疹 >
・海外から麻疹ウイルスがたびたび持ち込まれ、日本の一部の地域で流行が繰り返されています。2年前沖縄県で流行し、多くの県に感染が拡大し、罹患者は全国で150人を超えました。一昨年は三重県~大阪府等関西地方において流行が拡大し、700人ちかくの罹患者を認め、この数年で最も多い罹患者がでてしまいました。一昨年以降は海外からの来日者が途絶えたため流行はありませんでした。しかし、海外との流通、交流が再開されました。過去の中途半端な対応の結果、今後も流行は繰り返されるでしょう。麻疹風疹混合(MR)ワクチン対象年齢(1歳児、年長児)の皆さん、早い時期に免疫をきちんとつけていきましょう。年長児の皆さん、1歳で得られた免疫は消えかかっています。早めの接種をお願いいたします。
なお、23歳以上の皆さまは、麻疹・風疹の十分な免疫がない可能性があります。これから生まれる新しい命を守るために、できるだけ麻疹風疹ワクチンの追加接種をお勧めします。